大判例

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東京地方裁判所 昭和63年(行ウ)74号 判決

原告は、「特許庁が、昭和六三年五月一三日、昭和五九年審判第二七九七号事件及び昭和六〇年審判第一一四八一号事件についてした各審理終結(〔編註〕中略)を取り消す」。(〔編註〕中略)との判決を求めた。

被告は、主文同旨の判決を求め、請求の原因に対する答弁として、「1 抗告訴訟においては、その対象たる行政処分が何であるかを一義的かつ明確に特定して主張すべきところ、本件訴状においては右特定がなされていないから、本件訴えは、この点において既に不適法である。2 特許庁の審判事件における審理終結は、審判事件が審決をするのに熟したときに審判長によりなされるものであつて、本件各審理終結は、原告の権利若しくは法律上の利益に何らの影響を及ぼすものではないから、何ら独立の行政処分たりえず、かつ、本件各審理終結は被告がしたものでもない。したがつて、本件訴えの対象たる行為は、処分性を欠き、また、被告適格をも誤つたものであるから、本件訴えは、不適法である。3 仮に、本件各審理終結を行政処分と解する余地があるとしても、特許法の規定による処分については、行政不服審査法による異議申立てを経た後でなければ提起することができないところ、原告は、右異議申立てをしていないから、本件訴えは、この点においても不適法である。4 本件各審理終結に係る各審判事件については、既に昭和六三年六月九日に審決がなされ、同審決の謄本は、同月二二日に原告に送達されているから、本件訴えは、訴えの利益を欠く不適法なものである。」旨主張するものである。

二 そこで、審案するに、審判事件における審理終結は、事件が審決をするのに熟したときに、審判長がその旨を当事者等に通知する(実用新案法四一条において準用する特許法一五六条一項)ものにすぎないのであるから、本件各審理終結は、原告の権利若しくは法律上の利益に何ら影響を及ぼすものではなく、行政事件訴訟法三条二項の規定にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当しないものであることが明らかである。よつて、原告の本訴請求は、その余の点について判断するまでもなく、不適法であるから、却下する。

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